牛伏川フランス式階段工

牛伏川フランス式階段工

美ヶ原の南にそびえる鉢伏山(1928.8m)を源とする信濃川水系の一級河川・牛伏川(うしぶせがわ)。山麓の牛伏寺(ごふくじ)近くで扇状地となって松本平に流れ出ますが、そこに築かれた「牛伏川階段工」は、国の登録有形文化財に指定。フランスの階段工法をそのまま真似たもので、「牛伏川フランス式階段工」と呼ばれています。

フランス南アルプスの砂防工事を真似た壮大な砂防

牛伏川は、急流で牛伏寺断層(ごふくじだんそう)に沿っているため「大欠け」と呼ばれる大崩壊地からの崩落などによる土砂の流出が多く、10年に一度の大水害をもたらしていました。
このため明治18年から石堰堤工などの工事が行なわれましたが、大正5年に延長141m、落差23mの石張りの流路をつくり、そこに19段の段差を構築。

フランス・プロバンズ地方、デュランス川(Durance)サニエル渓谷の階段工法をそのまま真似たもので「フランス式階段工」の名があります。
周辺には明治19年完成の第一号石堰堤、明治22年完成の根止石積堰堤などがあり、砂防環境整備事業の「牛伏川砂防学習ゾーン」として水遊びの広場、キャンプ場などが整備。
夏は水遊びも楽しめます。

明治23年には、長野県知事内海忠勝が内務省土木技師ヨハナネス・デ・レーケを長野県に招聘。
牛伏川の状況を視察し、当時すでに5ヶ所の石堰堤を確認しつつ、緊急に十数ヶ所の堰堤を築造するべきだという提案を行なっています。
 

牛伏川フランス式階段工
名称牛伏川フランス式階段工/うしぶせがわふらんすしきかいだんこう
所在地長野県松本市内田内田山6114-261
関連HP松本市公式観光情報新まつもと物語
ドライブで長野自動車道塩尻北ICから約8.5km
駐車場10台/無料
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
牛伏寺断層

牛伏寺断層

長野県松本市と塩尻市を通る活断層が、牛伏寺断層(ごふくじだんそう)。松本市街の南西、中山丘陵の西側、牛伏川(うしぶせがわ)沿いで、牛伏寺があるのが名の由来です。糸魚川‐静岡構造線途中で、全長17kmほど(北北西一南南東方向)。市街地を除く5

牛伏寺

牛伏寺

松本市の鉢伏山中にある真言宗の古刹、牛伏寺(ごふくじ)。寺伝によれば天平勝宝7年(756年)、善光寺へと運ぶ唐からの大般若経600巻を積んだ2頭の牛がこの地で倒れ、経巻を納めて牛の霊を祀ったのが始まりという。古来から牛伏厄除観音として有名で

牛伏川フランス式階段工

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