【マンホールで知る町自慢】白馬村は「白馬三山とカタクリ」

長野オリンピックでジャンプなどの会場となった白馬村(はくばむら)。
マンホールに描かれる絵柄は、山麓から眺めた北アルプス白馬三山とカタクリです。

大出の吊橋と白馬三山
↑大出の吊橋と白馬三山

マンホールに描かれるのは「しろうま三山」

マンホールに描かれた白馬三山は、右から白馬岳(しろうまだけ)、杓子岳、白馬鑓ヶ岳。
白馬村はもともと明治22年の町村制施行で誕生した神城村(かみしろむら)、北城村(ほくじょうむら)が昭和31年に合併して誕生した村。
白馬岳の登山口で、メインの玄関口となる白馬駅も昭和7年に信濃四ツ谷駅(しなのよつやえき)として開業しています。昭和43年に白馬駅と改称しています。

ややこしいのは、「白馬(はくば)村の白馬(しろうま)岳」という点。
「はくばだけ」と発音する人もいますが、正しくは「しろうまだけ」。

なぜ「しろうま」かといえば、かつて田植えのために、田に水を入れて土を砕いてかきならす作業(代掻き=しろかき)には、馬を使いました。現在はトラクターに代掻き用のアタッチメントを取りつけて作業をするのが一般的。
トラクターがない時代には馬が活躍したのです。

そこで、下の写真。
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上の写真には白馬岳(しろうまだけ)の由来となった代馬(しろうま=代掻き馬/農作業で使った馬)がくっきりと浮かんでいます。

雪が溶けて、白馬岳(代馬岳)に雪形が現れたら、「そろそろ田植えをするぞ」という合図になったわけ。
暖冬の時には、春が早く(田植えが早く)、厳冬で雪解けが遅いときには田植えを遅くと、絶妙なタイミングを知らせる目印だったというわけなのです。

だから代馬岳(しろうまだけ)が白馬岳(しろうまだけ)に転じたわけで、代掻き馬自体は写真で見てもおわかりのとおり、黒い馬!

ではなぜ、白馬村(はくばむら)になったのかといえば、多くの人々が「はくば」と呼ぶのと、その方が観光的にも格好いいから。
実は、白馬村の八方は、日本の民宿発祥の地でもあるのです。

というわけで、マンホールに描かれる山は白馬三山(しろうまさんざん)。
今まで、白馬三山(はくばさんざん)と呼んでいた皆さん! これを機会に改めましょう。

描かれる花はカタクリ

白馬三山の手前に置かれたカタクリは、白馬村の花
例年、4月下旬~5月上旬頃に山麓にカタクリの花が咲き、白馬五竜観光組合主催の『白馬五竜かたくり祭り』も開催されます(会場=白馬五竜かたくり苑/白馬五竜スキー場麓)。

というわけで、マンホールはゴールデンウィーク頃の白馬村の姿。実は、ゴールデンウィークの白馬は意外に観光的に穴場なので(ホテルなども空きが多くて)おすすめできます。

カタクリで思い浮かべるのが片栗粉。

その名のとおり、以前はカタクリの鱗茎から抽出したデンプンを片栗粉として食用にしていました。市販の片栗粉は、ジャガイモ(でんぷんいも)からとったデンプン粉が使われています。
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↑高速バスが発着する白馬町バス停

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大出の吊橋

白馬と鬼無里を結ぶ国道406号。その白馬側の入口にあるのが大出公園で、カメラマンや画家の人気ナンバーワンの地です。

大出の吊橋

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2020年6月23日

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白馬ハイランドホテル

運び湯(自家源泉)ではありますが、白馬三山を一望の白馬ナンバーワンの絶景露天風呂があります。日帰り入浴も可能。

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(一社)プレスマンユニオン事務局長。 全国を取材するかたわら、デザインマンホールに注目しています。なぜなら、そこには郷土の自慢が凝縮されているから。何気ない足下のマンホールが、実は地域活性にとって重要な役割を担っていることから、ウエブマガジン「マンホールStyle」を運営中です!