長野県(松本市)と岐阜県(高山市)にまたがる北アルプス(飛騨山脈)の槍穂高連峰。槍ヶ岳(3180m)から南に大喰岳(おおばみだけ・3101m)、中岳(3084m)、南岳(3032.9m)と連なる3000m峰の山並みのうち、真ん中にあるのが中岳です。
国内第12位の高峰は、別名「小槍ヶ岳」とも
槍穂高縦走路途中にあり、素通りすることが多い山ですが、大喰岳(3101m)、前穂高岳(3090.5m)に次いで国内第12位の高峰です。
しかも稜線の両側にカール(氷河地形の圏谷)が発達し、お花畑の群落も。
山岳写真家の田淵行男(たぶちゆきお)は、中岳東面に巨大な「舞い姫」の雪形(雪が溶けた黒い岩肌が振袖の舞姫が片手を花笠を持った姿に見えます)が出現すると著書『山の紋章・雪形』で紹介。
中岳から東に派生する尾根の途中、標高2500mにあるのが天狗池で、一帯の氷河地形が、天狗原で、氷河公園と通称されています。
「舞い姫」の雪形が現れるのは、ちょうど、中岳山頂から氷河公園にかけてです(槍沢から氷河公園への登山道は南岳北側で縦走路に合流/槍ヶ岳登山道・槍沢ルートの天狗原分岐から天狗池の往復は1時間30分)。
登山道は中岳山頂から南岳へ向け、南東の氷河地形の斜面を下りますが、夏の終りまで雪渓が残され、「雲表のオアシス」と呼ばれています。
近くから眺めると槍ヶ岳にも少し似た鋭鋒であることから、日本山岳会初代会長の小島烏水(こじまうすい)は、『日本アルプス』で「小槍ヶ岳」と記しています。
中岳 | |
名称 | 中岳/なかだけ |
所在地 | 長野県松本市安曇上高地・岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂 |
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