北アルプスを眺める絶景スポットの筆頭にあげられるのが長野県安曇野市の長峰山。安曇野観光協会では、観光協会指定の宿泊者に限り、早朝(朝食前)に専用バスで長峰山を訪れる『安曇野絶景ツアー』を実施しています。実施日は5月〜12月ですが、空気の澄んだ10月〜11月が主体となっています。
東山魁夷、川端康成、井上靖が感動した絶景
まずは、東山魁夷の『安曇野を想う』をお読みいただこう。
五月の若緑に蔽われた安曇野は なんと美しかったことか
上高地から流れ出る梓川が高瀬川と合流し犀川となって北に流れる
平野の上に高く連なる北アルプスの山々
常念、東天井、燕と長峰山の上で案内人の指し示す残雪の嶺々を
仰ぎながら飽かず眺めたひとときが忘れられない
秋も過ぎ冬が来ると、
その辺りは一面の銀白色。
丈高い枯れ葉と可憐な野草が、
じっと春の到来を待っている。
昭和45年5月、当時の穂高町(現在の安曇野市穂高地区)の招聘を受けたノーベル賞作家・川端康成は、作家・井上靖、画家・東山魁夷を誘って、春の安曇野を1泊2日で訪れています。
わさび畑、穂高神社、碌山美術館、松尾寺、小岩岳城址、長峰山などを夫人同伴で巡りましたが、その絶景に圧倒されたのが長峰山だったのです。
川端康成、井上靖、東山魁夷の巨匠3人が一堂に会することすら驚きですが、東山魁夷の作家に転身できそうな名文にはもっとビックリです。
安曇野の人は北アルプスを「西山」、その反対に対岸に聳えるのが「東山」と総称しますが、長峰山はその「東山」にあり、まさに北アルプス・「西山」に対峙する位置に。
しかもちょうど真西が槍ヶ岳です。
ただし、槍ヶ岳は常念岳の右側に穂先だけが顔を覗かせるので、望遠鏡は必需です。
長峰山には尾根伝いに車道が通じているので、山頂まで車で到達できます。

安曇野市の宿から長峰山へ早朝バスを運転
そんな長峰山に早朝に登り、絶景を眺めようというツアーを安曇野市観光協会が企画しています。「標高1000mの天空から望む安曇野でしか見ることができない感動景色。早起きした人だけが見ることの出来る絶景。運が良ければ、雲海の上に聳える北アルプスを見ることができます」とは、安曇野市観光協会の解説。
運行されるのは、5月〜12月頃ですが、メインとなるのは10月〜11月。
それ以外のシーズンはGWなど運行日が限られます。
参加の条件は、「安曇野穂高ビューホテル」、「AMBIENT安曇野」、「休暇村リトリート安曇野ホテル」、「ガーデンあずみ野」、「割烹旅館 山彦」、「ペンションKEYAKI」、「ペンションハーヴェスト」、「ペンションメープルリーフ」、「ろっぢ安曇野遊人」、「檜湯の宿 松伯」、「江戸川区立 穂高荘」、「ビレッジ安曇野」の宿泊者であるということ。
実施日には(実施日は宿または観光協会に確認を)、各宿から長峰山まで専用のバスで案内してくれます。
宿の出発は、5:00〜6:00で、長峰山に6:30着。
長峰山7:10頃発で、各宿に7:50〜8:50に帰着します。
早起きすれば絶景を眺めることができ、さらに宿に戻って朝食をという配慮です。
参加費も1人3800円(2025年の料金で、大人、小人共通/送迎バス代、ガイド代、珈琲代、お菓子代、保険料込み)。
『安曇野絶景ツアー』で長峰山へ! | |
関連HP | 安曇野長峰山絶景ツアー |
問い合わせ | 安曇野市観光情報センター TEL0263-82-9363 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |