松代城

松代城(海津城/かいづじょう)は武田信玄と上杉謙信が相まみえた川中島合戦の際、1560(永禄3)年に信玄の拠点として築かれ、1622(元和8)年からは真田氏の居城となった城。『甲陽軍鑑』によれば山本勘助の築城。松代城公園となった一帯は国の史跡に指定されており、「日本100名城」、「日本の歴史公園100選」にも選定。

川中島の合戦(八幡原の戦い)の前年に築城

本丸を取り囲む内堀
本丸正門にあたる太鼓門

武田信玄の信濃侵攻の拠点として1560(永禄3)年完成。
築城の翌年、1561(永禄4)年9月、上杉謙信が川中島へ侵攻すると、海津城城代・春日虎綱(高坂昌信)は籠城し、信玄本隊の到着を待っています。9月10日には八幡原において両軍の決戦(八幡原の戦い)となっています。これが有名な川中島の合戦。

川中島の合戦は、5回にわたっていますが、最大の激戦で、時代劇で扱われるのはこの第四次川中島の合戦(八幡原の戦い)です。

1582(天正10)年3月、武田勝頼が天目山で自刃し、武田家が滅亡した後は織田軍の甲州征伐の恩賞で織田氏家臣・森長可(もりながよし/美濃・兼山城出身)の居城に。

その後城主は激動の時代を背景に変遷しますが1603(慶長8)年、松平忠輝が入封。さらに酒井忠勝が城主に。
1622(元和8)年、酒井忠勝が出羽国庄内藩に転封となって、信濃上田藩から真田信之(さなだのぶゆき)が入封。
1711(正徳元)年、幕命により松代城と名を改めています。

以降、明治維新まで真田家の居城となっています。

太鼓門、北不明門や内堀を復元

桜咲く春の松代城遠景
城跡に咲くソメイヨシノ

総石垣で囲われた本丸、1759(宝暦9)年まで二の丸御殿があった二の丸、武具奉行役所が置かれた三の丸、1770(明和7)年に花の丸御殿が建てられ、幕末まで藩庁や藩主の居館が置かれた花の丸などがありました。

明治5年の廃城令で跡地は藩士に払い下げられ畑に。
明治6年の火災で花の丸跡にあった御殿を焼失。

復元整備計画が平成15年度に完成。
城郭を取り巻く土塁や大手門(正門)にあたる太鼓門、本丸北側の搦手(からめて=裏側)を守る北不明門(きたあかずもん)、二の丸南門(建物の一部を再現)、堀、石垣、土塁などを昔のままに復元。
とくに本丸南側の大手(正面)に位置する太鼓門は3ヶ所の櫓門の中で最大規模の門で、櫓門と「橋詰門」と呼ばれる高麗門、続塀を左官の技術から建具に至るまで可能な限り伝統的な用法で再現しています。

遺構としては、城外御殿新御殿(真田邸)、藩校文武学校が現存。

城郭や周辺には100本のソメイヨシノが植栽され、例年4月中旬〜4月下旬頃が見頃。
開花期間中には『本丸内桜ライトアップ』、夜間入園が実施され(入場は20:30まで)、夜桜見物も可能です。

搦手側の北不明門
南北の門には高麗門と奥の櫓門(写真)も再現
『真田丸』と真田信之
真田昌幸の長男。真田信繁(真田幸村)の兄。少年時代は武田家の人質として信玄のもとで過ごしています。当初は徳川と対立し、第一次上田合戦では父・真田昌幸とともに上杉氏に臣従。さらに豊臣秀吉に従い、家康と和睦して家康の配下に。家康は本多忠勝の娘・小松姫を養女とし、駿府城に信之を招いて婚姻。関ヶ原の合戦では、父・昌幸と弟・信繁が西軍(石田三成)に、真田信之が東軍へと分かれ、NHK大河ドラマ『真田丸』の題材にもなっています。
関ヶ原合戦後、上田藩主になりますが、上田城破却のためもあり、信濃松代に加増移封。
ちなみに関ヶ原合戦までは父・昌幸の幸をとって真田信幸と名乗っていましたが、父が西軍に与したこともあり、信之と改名しています。
NHK大河ドラマ『真田丸』では大泉洋が好演。
真田信之
松代城
名称 松代城/まつしろじょう
所在地 長野県長野市松代町松代44
関連HP 真田宝物館公式ホームページ
電車・バスで JR長野駅からアルピコ交通バス松代高校行きで28分、松代駅下車、徒歩5分
ドライブで 上信越自動車道長野ICから約2.2km
駐車場 殿町無料観光駐車場(100台/無料)、松代城北駐車場(60台/無料)
問い合わせ 真田宝物館 TEL:026-278-2801
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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