長野県塩尻市贄川(にえかわ)、贄川宿は中山道33番目の宿場で、木曽路の北(江戸方面)の入口。街道時代には、福島関所を補う贄川口留番所が置かれていた場所です。現在の関所は文献をもとに昭和51年に復元されたもの。女性の通行だけでなく、木材(木曽五木)の搬出にも目を光らせていました。
江戸時代を通し、福島関所の分所的に機能

贄川関所は軍事的にも重要な地で、天正18年(1590年)、天下統一を果たした豊臣秀吉が木曽を直轄領とし、贄川に番所を設置しています。
関ヶ原の合戦後は、木曽谷は徳川家康が支配し、大坂冬の陣、夏の陣の際にも、警備が強化されています。
元和元年(1615年)に木曽が尾張藩の領有となってからは贄川宿の「お境橋」が松本藩と尾張藩の境で、「是より南木曽路」の碑が立っています。
江戸時代には尾張藩の配下、木曽代官・山村氏が支配し、木曽特産の木材の搬出などにも目を光らせました。
関所は明治2年に廃止されていますが、実際の贄川口留番所は、現在は中央本線の線路が通る鉄道敷地です。
贄川宿探勝用の専用駐車場はないので、JR贄川駅駐車場の利用を。
ちなみに贄川という名は、『木曽名所図会』に温泉が湧いていたからと熱川(にえかわ)だった記され、その後、温泉が枯渇したことで、諏訪神社の神事に贄(にえ)として鮒などを出したため、贄川になったもの。
宿場に残る深澤家住宅は国の重要文化財。
江戸時代には奈良井宿が木曽漆器の生産拠点、贄川宿が流通販売の基地として機能していました。
つまりは経済的な実力者が多数暮らしていたのです。

贄川関所 | |
名称 | 贄川関所/にえかわせきしょ |
所在地 | 長野県塩尻市贄川1568-1 |
関連HP | 塩尻市公式ホームページ |
電車・バスで | JR贄川駅から徒歩5分 |
ドライブで | 長野自動車道塩尻ICから約18km |
駐車場 | JR贄川駅駐車場を利用 |
問い合わせ | 贄川関所 TEL:0264-34-3002 |
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