河童橋

河童橋

上高地を流れる梓川の清流に架かる幅3.6m、長さ30mの吊り橋は、上高地のシンボル的存在で、人気の撮影スポット。日中は混雑するので、上高地に宿泊し、人気の少ない朝がおすすめの時間帯。昭和2年には芥川龍之介がこの橋をヒントに小説『河童』を書いています。上高地バスターミナルからは徒歩5分。

芥川龍之介の小説『河童』の舞台

河童橋
穂高連峰眺望の特等席
河童橋
上流側から下流の焼岳を眺望

橋の上からは、上流側に穂高連峰、下流側に焼岳を眺望。
足元を流れる梓川は清らかに透き通り、深山の清流にしか棲まないというわれるイワナや、水面に戯れる鴨などが心を和ませます。

初代の河童橋は明治24年に島々と飛騨を結ぶ新道の橋として架けられたもの。
現在の橋は、平成9年に架け替えられた5代目。

芥川龍之介槍ヶ岳登山と河童橋の関係は!?
志賀重昂の『日本風景論』や小島烏水の『山水無尽蔵』を愛読した芥川龍之介は、近代アルピニズム黎明期の明治42年8月(芥川17歳)、旧制中学(府立中学)の仲間(市村友三郎、中原安太郎、中塚癸巳男)と上高地から槍ヶ岳に登山(大正9年7月1日発行の『改造』第二巻第七号に『槍ヶ嶽紀行』として発表)。
明治42年8月10日、明神池の嘉門次小屋に宿泊 11日坊主の岩小屋泊まり、12日に槍ヶ岳に登頂しています。
昭和2年、総合雑誌『改造』誌上に発表した小説『河童』は、この河童橋を題材にしたもの。
雑誌のアンケートに、最も気に入っている夏の旅行地は「信濃の上河内(上高地)」と答えているように、印象深い旅先だったのは間違いありません。
小説『河童』発表の5ヶ月後の7月24日、芥川龍之介は自殺してしまいますが、小説『河童』発表と自殺によって河童橋の知名度もアップしたのです。

泊まって納得! 取材班おすすめの上高地のリゾートホテル

せっかく上高地を訪れるなら、ぜひとも泊まってほしいというのが取材班の願い。
というのも、上高地の真髄は、日帰り客のいなくなった朝夕にこそあるのだから。
早起きして大正池へと歩けば、朝もやに包まれた幻想的な光景に出会うことができるかもしれません。
河童橋に渋滞がないのも、朝夕に限られます。
ただし、ハイシーズンには1泊2食付きで2万円以上の宿が多く、ファミリーには財布の中身が気になるところ。
そんな上高地でおすすめは、アルピコ(松本電鉄)グループで天然温泉(上高地温泉)の上高地ルミエスタホテル(旧・上高地清水屋ホテル)、河童橋近くの一等地に建つ五千尺ホテル、そして憧れの上高地帝国ホテル。
この3つが上高地3大リゾートホテルともいえる宿です。

上高地ルミエスタホテル

地下150mから汲み上げる自家源泉の温泉ホテル。上高地に天然温泉というと意外に感じる人もいますが、源泉かけ流しの風呂を備えています。
夕食は定評ある「上高地フレンチ」です。

五千尺ホテル

大正7年、「旅舎五千尺」として開業した上高地の老舗ホテル。
夕食は、こだわりの「五千尺キュイジーヌ」で、五千尺農園産の野菜が使われています。
この宿を基地に上高地を散策する常連が多い宿としても知られています。
宿泊者専用の喫茶コーナーも素敵。

上高地帝国ホテル

日本初の本格的な山岳リゾートホテルとして昭和8年に誕生した、アルピニストにも憧れのホテル。
泊まることができなくても「カジュアルレストラン アルペンローゼ」でランチ、「カフェ グリンデルワルト」での喫茶はぜひ。
上高地帝国ホテルのシンボル、マントルピースは、「カフェ グリンデルワルト」にあります。
河童橋と大正池の間に位置するので、ここを基地にすれば上高地の散策も存分に楽しめます。

もう少しエコノミーに泊まりたい人は、この宿を予約!

上高地はグリーンシーズンだけの季節営業ということもあって、宿泊料金が高いのが難点。
少し頑張って、岳沢や横尾あたりまで歩いて山小屋に泊まる手もありますが、個室を使えば1万円はオーバーしてしまいます。
そこで注目は、エコノミー派の味方の宿。
ドミトリールーム(2段ベット相室専用室、男女別の部屋があります)を有する朝焼けの宿 明神館、大正池の畔にある上高地大正池ホテルあたりなら、エコノミー派でも手が届きます。

朝焼けの宿 明神館

昼時には人の多い河童橋周辺から離れた明神地区にある一軒宿。
穂高岳の朝焼けを一番美しく見ることができるので、朝焼けの宿というキャッチが付けられています。
明神岳を眺められるようテラスが設置されていて、早朝の明神池への散歩も素敵です。
登山基地にもなっていて、登山者の利用も多いのが特徴。

上高地大正池ホテル

トップシーズンを外せば2万円以下で宿泊できて、目の前が大正池という点ではコストパフォーマンスのいい宿。
さらにコストにこだわる人は、シーズンを外し(9月上旬など)、林側の部屋のチョイスを。


 

河童橋
名称 河童橋/かっぱばし
所在地 長野県松本市安曇上高地
関連HP 上高地公式ウェブサイト
電車・バスで 松本電鉄新島々駅から松本電鉄バス上高地行きで1時間10分、終点下車、徒歩5分
ドライブで 長野自動車道松本ICから約33kmで沢渡地区駐車場。路線バス・タクシーで上高地へ(マイカー規制実施中)。上高地バスターミナルから徒歩5分
駐車場 沢渡地区駐車場(2156台/有料)
問い合わせ 松本市安曇支所 TEL:0263-94-2301
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
上高地開山祭

上高地開山祭|松本市

2019年3月10日
河童橋

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