文豪・島崎藤村ゆかりの宿「中棚荘」で『初恋りんご風呂』始まる!|2024

初恋りんご風呂

2024年10月1日(火)、長野県小諸市の懐古園(小諸城跡)近くにある文豪・島崎藤村ゆかりの宿「中棚荘」で『初恋りんご風呂』がスタート。毎年10月に始まる吉例の風呂で、地元産のりんごを湯船に浮かべ、初恋の甘酸っぱさを味わうというもの。来春、りんごがなくなるまで続けられます。

「初恋」を思い浮かべながら、小諸へ旅をしてみませんか?

初恋りんご風呂

アルカリ性単純温泉の美肌の湯(源泉かけ流し)に地元で産するりんごを浮かべたものですが、このりんご風呂が行なわれる男女別の大浴場、平成館(新館)から階段を上った先にあります。
なぜ離れた場所にあるのかといえば、源泉に近いところに湯船をつくりたかったからなのだとか。

浴室と脱衣場が一体となった風情ある大名風呂風の浴室も木造りで実に風雅です。


島崎藤村の処女詩集『若菜集』(わかなしゅう)は、明治30年、春陽堂書店から出版。
七五調を基調とした51編の中にあるのが『初恋』で、日本におけるロマン主義文学の代表的な詩となっています。

『初恋』は、少年がりんご畑で前髪をあげたばかりの少女に出会い、恋が始まるというロマンチックな詩ですが(当時の日本では、好きな相手と自由に恋愛し結婚することはまだまだ一般的ではありませんでした)、藤村の仙台時代(東北学院の教師)に島崎藤村が下宿した「三浦屋」(仙台駅近く、現「名掛丁藤村広場」)で執筆したものなので、林檎畑は、残念ながら小諸ではなく東北の畑ということに。

島崎藤村が信州・小諸に赴任するのは、明治32年、小諸義塾の英語教師として。
以降、6年間を小諸で過ごし、写生文『千曲川のスケッチ』などを著して小諸時代と称されていますが、藤村は開業間もない中棚荘(明治31年創業)に足繁く通い、『千曲川旅情のうた』の一節にも「岸近き宿」として登場しているのです。
小諸に赴任してきた藤村も、生徒と一緒に中棚荘の鉱泉開発に携わっていたという話も伝わっています。

島崎藤村の『初恋』が誕生したのが明治29年10月30日。
それを記念して中棚荘は日本記念日協会に10月30日を「初恋の日」として登録申請、1999年に「初恋の日」として認定されています。

中棚荘のは『初恋りんご風呂』は、日帰り入浴もできますが(「お風呂メンテナンス」の日には、日帰り入浴ができません)、味自慢の宿でもあるので、ぜひ1泊してのんびりとその風情を楽しむのがおすすめです。
秋限定で「きのこ香る信州の味覚プラン」なども用意されています。

島崎藤村『初恋』

まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)に
人こひ初(そ)めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃(さかづき)を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな

林檎畑の樹(こ)の下に
おのづからなる細道(ほそみち)は
誰(た)が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

文豪・島崎藤村ゆかりの宿「中棚荘」で『初恋りんご風呂』始まる!|2024
開催日時 2024年10月1日(火)〜翌春、りんごがなくなるまで
所在地 長野県小諸市乙1210
場所 中棚荘
関連HP 中棚荘公式ホームページ
電車・バスで JR小諸駅から徒歩20分
ドライブで 上信越自動車道小諸ICから約4.5km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 中棚荘 TEL:0267-22-1511
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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初恋りんご風呂

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