熊野皇大神社例祭(旧碓氷峠)

長野・群馬県境にまたがって、中山道の旧碓氷峠(標高1192m)に鎮座する熊野皇大神社(くまのこうたいじんじゃ)。明治の神仏分離までは熊野権現・熊野宮として尊崇され、第二次大戦後に長野県側が熊野皇大神社、群馬県側が熊野神社となりました。毎年10月15日に熊野皇大神社に例祭が斎行されます。

散米の舞、からすの舞などが奉納される

例祭では、軽井沢御神楽保存会により、11:30頃から浦安の舞、散米(さんまい)の舞、からすの舞の奉納が奉納される予定(演目は例年のもの)。
散米の舞は、命の糧(かて)である米が収穫できたことを心より神様に感謝し、大地の四隅に命の種である米を撒く舞。
からすの舞は、三本足の八咫烏(やたがらす)に厄除けを願う舞。
『日本書紀』や社伝によれば、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の帰路、上州側から碓氷嶺(碓氷峠)に登る際、濃霧で道に迷ってしまいました(これが霧積という地名の由来)。そのとき一羽の八咫烏が現れ、紀州熊野の霊木・梛木(なぎ=悪霊うをなぎ払う)の葉をくわえ、道に落としながら先導し、それについて行き山頂まで登ることができたと伝えられています。
江戸湾(木更津)で荒波を静めるために海中に身を投じた最愛の妃・弟橘姫(おとたちばなひめ)を偲び「吾嬬者耶」(あずまはや=ああ、いとしき我が妻よ)と嘆きました。「長く悲しんだ山」が長倉という軽井沢の地名の由来になっているのだとか(この日本武尊の伝承は、群馬・長野県境の鳥居峠という説もあります)。
つまり、からすの舞は、熊野皇大神社の由緒記に伝わる八咫烏の姿に扮し舞うもので、からすときつねがまじり合う姿がユニークです。

当日訪れる多くの参拝者はこの奉納される神楽が目当ての人も多いのだとか。

祭神は、本宮(両県に鎮座)は、伊邪那美命(いざなみのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)。
那智宮(信州鎮座)が事解男命(ことさかおのみこと)。
新宮(上州鎮座)が速玉男命(はやたまおのみこと)。

神社へは群馬県側からは旧中山道(山道=登山道)しか通じていません。
軽井沢側からは県道のほか、碓氷峠遊覧歩道(ハイキングコース)も通じており、メインストリートから徒歩1時間30分ほど。

 

熊野皇大神社例祭(旧碓氷峠)
開催日時 10月15日11:30〜
所在地 長野県北佐久郡軽井沢町峠2
場所 熊野皇大神社
電車・バスで JR軽井沢駅からタクシーで20分
ドライブで 上信越自動車道碓氷軽井沢ICから約15km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 熊野皇大神社 TEL:0267-42-5749/FAX:0267-42-1505
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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2016年8月23日
 

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