長野県野沢温泉村、野沢温泉の源泉が噴き出している湯だまりが、国の天然記念物に指定される麻釜熱湯噴湯(おがまねっとうふんとう)。地元では単に麻釜と呼ばれています。大釜、丸釜、茹釜(ゆでがま)、竹伸釜(たけのしがま)、下釜の5つの湯溜まりの総称。麻をこの湯溜まりに浸し、皮を剥きやすくしたことに由来する名です。
「野沢温泉の台所」と呼ばれる噴湯を見学
70~90度ぐらいの熱湯が湧き出しているため、野沢温泉の人々は、朝夕には野沢菜を茹でるなど、今もこの湯を生活の場としています。
そのため「野沢温泉の台所」と呼ばれています。
大釜と茹釜は湯温が90度近くあるので山菜、野菜を茹でるのに使い、円釜、竹伸釜は、湯温が70度と少し低いので、アケビ蔓(つる)を浸したり(40分ほど浸した後、柔らかくなった表皮を剥ぎます)、蚕(かいこ)に使う蚕具の消毒に使っていました。
野沢温泉にある健命寺に伝わる野沢温泉の種「寺種」を使い、野沢の麻畑(おばたけ=かつて麻を栽培していた畑)で栽培した野沢菜を、麻釜の湯で洗い、柔らかくし、ミネラル分を付けて漬け込んだのが、伝統の「野沢菜漬け」です。
湯はかなりの高温なので、地元の人以外は立ち入り禁止。
遠まきに眺めるだけにとどめておきましょう。
泉質は、単純硫黄温泉で、共同浴場「麻釜の湯」(あさがまのゆ)、「中島屋旅館」は、この麻釜の湯を源泉かけ流しで使っています。
日帰り入浴施設の「麻釜温泉公園ふるさとの湯」は、麻釜と真湯の2種の源泉を掛け流しで使用。
麻釜に隣接する「野沢温泉 村のホテル 住吉屋」は自家源泉ですが、やはり90度の熱湯が自然湧出しています。
麻釜 | |
名称 | 麻釜/おがま |
所在地 | 長野県下高井郡野沢温泉村豊郷 |
関連HP | 野沢温泉観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR戸狩野沢温泉駅から信州バス野沢温泉行きで19分、終点下車、徒歩5分 |
ドライブで | 上信越自動車道豊田飯山ICから約20km |
駐車場 | 野沢温泉村営駐車場(55台/無料、スキーシーズンは有料) |
問い合わせ | 野沢温泉観光協会 TEL:0269-85-3155/FAX:0269-85-3883 |
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