妙高連峰(頸城山塊/くびきさんかい)の最高峰で、日本最北の雷鳥生息地にもなっている火打山(2461.7m)から南西に派生する尾根上の台地にある池が高谷池(こうやいけ)。一帯は湿原と化し、高谷池湿原と呼ばれています。湿原地帯の畔に建つ、「高谷池ヒュッテ」は、2階から高谷池湿原を一望にする絶景で、登山者に大人気の山小屋です。
「地上の楽園」とも呼ばれる絶景スポット
高谷池はハクサンコザクラやアオノツガザクラなどの群生で有名で、多くの登山者を集めています。
火打山(フォッサマグナ以東の最高峰です)、妙高山への縦走途中に立ち寄るだけでなく、ここを目的にするカメラマンが多いのも特長。
アメリカのニュースネットワーク・CNNの「日本の最も美しい場所31選」にも選定されています。
また、「妙高高原周辺湿原」の一部として環境省の「日本の重要湿地500」(生物多様性保全上重要な湿地)に選定されています。
紅葉の時期の素晴らしさは、定評がありますが、例年の見頃は10月上旬。
しかも「ピークは3日間ほど」(妙高市役所観光商工課)とのこと。
雷鳥が目当ての場合は、火打山まで足を伸ばす必要があります。
遅くまで雪渓が残る雷鳥平から火打山山頂にかけてが遭遇確率大。
「高谷池ヒュッテ」は、例年4月~11月上旬まで営業(杉野沢観光協会で予約を受付)。
就寝場所は蚕棚で、布団は1人1枚を確保という山小屋スタイルで、夕食はビーフカレー&ハヤシライス、朝食は中華丼。
食堂の窓から北アルプス(槍ヶ岳から後立山連峰)を眺望します。
人気の山小屋だけに、夏休みだけでなく、紅葉シーズンも早めに満室という状況になります。
キャンプ場(キャンプ指定地)も併設し、20~30張が可能(「高谷池ヒュッテ」で受付)。
笹ヶ峰〜高谷池〜火打山 登山コースタイム
笹ヶ峰駐車場(乙見湖バス停)〜(徒歩20分)〜火打山登山口〜(徒歩1時間5分)〜黒沢〜(徒歩1時間40分)〜富士見平〜(徒歩50分)〜高谷池ヒュッテ〜(徒歩15分)〜天狗の庭〜(徒歩1時間15分)〜火打山山頂
注/高谷池ヒュッテ宿泊の場合には15:00には到着のようにコース設定をしてください。
火打山登頂も午前中、遅くとも12:00を目標にするのが賢明です。
なぜ、そんなに早くに山小屋が建てられたかといえば、実は笹ヶ峰と火打山一帯は、スキー登山の黎明期にもっとも注目された地だったのです。
日本の近代スキーは、明治44年にオーストリアのレルヒ少佐が高田の歩兵連隊に伝授したのが始まりですが、大正6年に関温泉スキー場がオープンしています。
そして同年、慶応大学山岳部が早くもスキーの練習を関温泉で行なっています。
その後、早稲田、明治、法政、京都大学の山岳部も関温泉で相次いでスキー合宿を始めます(慶応、明治、京大は現在も営業を続ける老舗、関温泉「朝日屋」を常宿に)。
第三高等学校(京都大学)も「朝日屋」で明治大学山岳部からピッケルなどの装備、スキーの必要性など近代アルピニズムについての知識を伝授され、大正14年には笹ヶ峰でスキー合宿を行ない、昭和3年には京大ヒュッテを建築しています。
高谷池 | |
名称 | 高谷池/こうやいけ |
所在地 | 新潟県妙高市杉野沢 |
関連HP | 杉野沢観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 上信越自動車道妙高高原ICから約17kmで火打山登山口駐車場 |
駐車場 | 火打山登山口駐車場を利用 |
問い合わせ | 杉野沢観光協会 TEL:0255-86-6000/FAX:0255-86-6639 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |