信州味噌の発祥地でもある佐久(信州味噌のルーツ! 安養寺へ)。その佐久・岩村田で、黒船来航の嘉永6年(1853年)創業という老舗の味噌蔵が和泉屋商店で、信州味噌のルーツでもある安養寺味噌も復活させています。
創業は嘉永八年!?
「ホームページにも暖簾(のれん)などにも創業嘉永八年と入れているんですが、実は嘉永は7年までしかありません」
と苦笑いするのは、5代目若社長の阿部博隆さん。
店舗の裏が醸造場(味噌蔵)になっていますが、ここに残された樽に「嘉永八年」と記された墨書が。
これで創業年を割り出しているわけですが、どうやら「嘉永六年」の「六」の亠(なべぶた)が取れて、八になったらしいのです。
「八は末広がりでいい」ということから和泉屋商店では、真相発覚後も「嘉永八年創業」としているのです。
いずれにしろ、中山道・岩村田宿の老舗味噌蔵は、さすがに信州味噌発祥の地のプライドがあって、平成16年、安養寺の圃場で栽培し始めた大豆を用いて鎌倉時代に禅僧・心地覚心が南宋留学後に日本にもたらしたという安養寺味噌(信州味噌のルーツ)を復元。
この安養寺味噌を使って平成20年に佐久商工会議所、佐久拉麺会(「めん屋佐介」、「麺匠文蔵」、「げんこつ屋」、「麺や天鳳」、「七代目助屋」、「麺処八峰」の店主で構成)が「安養寺みそ」を使った「安養寺らーめん」の開発に着手。今では佐久のB級グルメに成長しています。
ファミリーマートで販売された「信州味噌らーめん」も和泉屋商店の安養寺味噌を使っています。
「雪花の彩みそ」と「安養寺みそ」を食べ比べよう!
和泉屋商店の味噌のうち「安養寺みそ」は2年醸造ですが、「雪花の彩みそ」は3年醸造。
「味噌の原料である大豆(タチナガハ)と米(コシヒカリ)は全て国産のもの」と胸を張る阿部社長ですが、現在、国内で生産されている味噌のほとんどが外国産大豆を使用。味噌に適した国内大豆100%の味噌はわずか5%なんだとか。
「うちで使う大豆は長野県産、秋田県産がメイン。地元佐久産を少しでも増やしたいのですが生産量も限られているので・・。味噌の味を決めるのは麹(こうじ)はもちろんのこと大豆と水ですから、大豆にはとことんこだわっています」
3年醸造の「雪花の彩みそ」と「安養寺みそ」で迷ったら、迷わず、両方を買って味比べをおすすめします。
和泉屋商店 | |
名称 | 和泉屋商店/いずみやしょうてん |
所在地 | 長野県佐久市岩村田789-2 |
公式HP | 和泉屋商店公式ホームページ |
電車・バスで | JR小海線岩村田駅から徒歩8分 |
ドライブで | 上信越自動車道佐久平スマートICから約2.5km |
駐車場 | 6台/無料 |
問い合わせ | 和泉屋商店 TEL:0267-67-2062/FAX:0267-67-5774 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |