善光寺に隠されたトリックを探せ!(PART1)

いずれの宗派にも属さないという善光寺は、7年に一度『御開帳』を行ないます(次回は2021年の予定)。
数え年で7年に一度(現在は丑と未の年)、秘仏である本尊の身代わりとして、前立本尊が御開帳されるもの。
今回は、そんな善光寺に隠された様々なトリックに迫ります。

TRICK1 石畳に隠されたトリック

善光寺石畳1
善光寺参拝時の路線バスの下車バス停が善光寺大門。
善光寺大門地区は、かつては旅籠(はたご=宿)が軒を並べていました。
境内地入口から三門下までの395mに敷かれている石畳にまずはご注目。
善光寺は、山内にある天台宗の「大勧進」と支院25院、浄土宗の「大本願」と塔頭14坊によって護持・運営されていますが善光寺やその支院・塔頭には檀家はありません。

檀家がないので葬式による収入もゼロ。
足下に敷かれた幅5.4m、横12枚に敷かれた石も実はすべて寄進!
1714(正徳4)年、江戸中橋の大竹屋平兵衛より寄進されたもので、
「数えたことはありませんが、古来より7777枚あるといわれています」
(善光寺事務局)とのこと。

いずれの宗派にも属さず、庶民の浄財によって建てられたという善光寺らしい話。
この参道を歩くと、左右に塔頭寺院、そして仁王門から三門(山門)へと続いています。
遠くに見えていた三門が徐々に近くなってくる高揚感!
普段は仏教に興味を持たない人に、「歩くことで高揚感をもたらす」という効果を狙っていることに間違いないでしょう。
しかも進行方向に向かって縦長に置く、日本の伝統的な石の配置は、「三門を遙かかなたに見せる」という演出も。
下の写真からもそんなトリックが見てとれます。
 

実際に数えてみれば、現在は6479枚
実際に数えてみれば、現在は6479枚
 

TRICK2 六地蔵にもこんな仕掛けが

善光寺六地蔵

石畳の参道を歩き、仲見世通りを過ぎて駒返り橋を渡ると右手に六地蔵が見えてきます。
そろそろ参道歩きに飽きたかなと思う頃に、次なる仕掛けが。

六地蔵は1759(宝暦9)年に初代が造立と善光寺の歴史のなかでは比較的に新しいもの(現在の六地蔵は第二次大戦で銅製品供出により、昭和29年に再興)。
地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天という仏教の六道を現しているのが六地蔵。
「六地蔵は、六の世界に赴き、迷える人を救おうという誓願を起こされている(人間の苦しみを救ってくださる)尊い存在です」
(善光寺事務局)。

じっくりと見てください!
向かっていちばん右のお地蔵様(地獄界担当の大定智悲地蔵)にご注目。
蓮台から左足を下ろしています。
誰かが地獄へ落ちそうになったら、すぐに駆けつけることができるようにという態勢を現しているのだとか。まさに「仏教界のレスキュー隊」なのです。

大定智悲地蔵の左足に注目
大定智悲地蔵の左足に注目
善光寺

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