日本一巨大な山小屋は、800人収容の「白馬山荘」で、なんとツインルームも!

白馬山荘

日本一巨大、つまりは収容力の大きな山小屋は、北アルプス北部、白馬岳(2932.3m)頂上近く、標高2830mに位置する白馬山荘。収容力は800人で、3号館には個室で、ツインベッドルームも備わっているので、ちょっぴり豪華な山の一夜を楽しむこともできます(富士登山とは大違いの環境です)。

日本で最初の営業山小屋として誕生

白馬山荘
国土地理院2万5000分の1地図からもその巨大さがよくわかります

白馬岳の山頂近くには標高2720mに村営の白馬岳頂上宿舎(280人)もあり、合わせて1080人という収容力を誇っています。
大雪渓、咲き乱れる高山植物、そして剣岳の眺望と、白馬岳の人気ぶりがよくわかります。
槍ヶ岳山荘の収容力が400人なので、そのマンモスぶりには驚きます。

白馬山荘は明治38年、測量用の石室の使用権利を取得した松沢貞逸(まつざわていいつ/駅前の旅館「やまき」を営む松沢直次の長男)が、日本で最初の営業山小屋を開業したのが始まりという歴史を有しています。
明治31年、父・松沢直次が急逝し、8歳にして名義上は「やまき」の代表者に。
そして山荘をつくることを立案した際には、弱冠16歳の若者だったとか。

大正2年に陸地測量部の北アルプス部分の『5万分の1地形図』が順次発売されたこともあって、大正の登山ブームが生まれています。

大正4年、当時としてはモダンな木造2階建ての山小屋を改築。
大正5年には大雪渓の下に白馬尻小屋を開設して、登山者の便宜を図っています(この年、信濃鉄道が大町駅まで開通)。

「白馬山案内者組合」の創設(大正8年)など近代登山の黎明期に活躍しますが、大正15年、木崎湖湖畔の道路で自動車事故で没しています(享年37)。

白馬山荘には、7月中旬〜8月中旬に「昭和大学医学部白馬診療所」が開設されていますが、こちらも昭和6年に設置された歴史ある診療所。
今でもボランティア活動で診察が行なわれています。

大部屋のほかに、別料金で個室利用も可能な白馬山荘ですが、やはり注目は、ツインベッドルーム。
3号館個室利用の際の朝食は、雲上のレストラン「スカイプラザ」とうことで、雲上のホテルといった雰囲気です。
2025年の夏山シーズンは、1泊2食付きの宿泊料は、大人1万5000円。
ツインベッドルームは別に個室料金として1万8000円が必要で、ひとりあたり2万4000円ということになります。

日本一巨大な山小屋は、800人収容の「白馬山荘」で、なんとツインルームも!
名称 白馬山荘/はくばさんそう
所在地 長野県北安曇郡白馬村 白馬岳頂上直下
関連HP 白馬山荘(白馬館)公式ホームページ
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白馬大雪渓

白馬大雪渓

長野県白馬村、針ノ木大雪渓、剣沢大雪渓と並び、「日本三大雪渓」のひとつに数えられるのが白馬大雪渓。白馬岳登山口の猿倉から大雪渓の入口・白馬尻までなら、夏山シーズンに限ればスニーカーでもOK。猿倉から大雪渓下端の白馬尻までが白馬大雪渓遊歩道で

白馬山荘

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