2024年6月23日(日)16:00に気象庁が発表した、北アルプスの活火山・焼岳の火山情報によれば、焼岳では山頂付近で6月13日〜6月22日までの10日間に火山性地震が84回を観測。山頂付近の緩やかな膨張を示していることから、噴火警戒レベル1でありながら、厳重注意を呼びかけています。
「焼岳の登山は控えてください」と松本市は呼びかけ
気象庁の噴火予報では、「噴火警戒レベル1=活火山であることに留意」で、これだけだと、万一に備えてヘルメットなどをかぶれば登山できそうな感じもします。
気象庁によれば、GNSS連続観測では、長期的に山頂付近の緩やかな膨張を示すと考えられる変化が続いていること、山頂付近を含む想定火口域内では、突発的に火山ガス等が噴出する可能性があることから、「登山する際は、火山活動の異変に注意するとともに、ヘルメットを着用するなどの安全対策をしてください。また、噴気地帯にはとどまらないでください」と呼にかけています。
地元、松本市は、さらに一歩踏み込んで、「焼岳では、山頂付近を震源とする火山性地震の多い状態が続いています。 火山活動の活発化によりリスクが高まっており、登山は控えてください」と事実上の登山禁止を打ち出し、登山口でもそうした表示を出しています。
ただし、完全に禁止するという権限はなく、「活火山であるリスクを理解し、登山する際は、火山活動の異変に注意するとともに、ヘルメット、ゴーグル、ヘッドライト、タオル等を装備するなどの十分な安全対策をしてください」と併記しています。
それでも松本市が「焼岳の登山は控えてください」とするのは、2014年9月27日11:52に起こった木曽御嶽山の水蒸気爆発で、1kmにわたって、大きな噴石が飛散。
死者58名、行方不明者5名、負傷者61名という大きな事故となりました。
当時の御嶽山も「噴火警戒レベル1=活火山であることに留意」で噴火警戒レベルを2に上げようかと迷っていた段階で、現在の焼岳の状況に少し似ているのです。
9月11日から火山性の地震が増加、直前の9月26日14:00にも週間火山概況で地震増加続報を出していますが、「9月10日から11日にかけて剣ヶ峰山頂付近を震源とする火山性地震が一時的に増加し、14日以降は低周波地震が時折発生しました。火山性地震は次第に減少していました。地殻変動や山頂部の噴気活動には、特段の変化はみられていませんでした。今回の噴火前の変化は、ごく小規模な噴火が発生した2007年の状況に比べても小さいものでした」(気象庁)と、噴火の予兆はなかったとしています。
これを読み解くと、「噴火警戒レベル1=活火山であることに留意」でも噴火に遭遇する可能性はあるので、当面は焼岳に登らないのが賢明、上高地から見上げる程度にするのがいいということに。
今年の夏は上高地から焼岳登山をと考えていた場合は、岳沢往復などのプランに変更するのが賢明です。
注意/使用した画像はすべてイメージ画像で、直近の撮影ではありません
焼岳が「令和の噴火」の危険度アップ!? 事実上の登山禁止に | |
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