2024年9月26日(木)〜9月27日(金)、長野県安曇野市の穂高神社で『御船祭り』が斎行。安曇族(あずみぞく)が、海から内陸までを船で自在に行き来していた海人(あま)族であったという歴史を伝える祭礼。紀元6世紀ごろに安曇野へ移住、船によって大陸の文化を運んでいたと推測される安曇族の先祖伝来の祭りです。
穂高神社の境内で大人船2隻が船体をぶつけるのがクライマックス
穂高神社では、稔(みのり)の秋である毎年9月26日・27日に『御船祭り』が斎行されます。
7世紀中期に活躍した安曇比羅夫(あづみひらふ)が高句麗(古代に朝鮮半島にあった国家)が唐の攻撃を受けると、百済を救援するための軍の将軍となり、百済に出兵し、白村江(はくすきのえ)で戦死したことを追悼する祭りともいわれています。
663年8月27日・28日の白村江の戦いで戦死したとされる安曇比羅夫。
8月27日を月遅れ(新暦)に置き換えれば9月27日。まさに安曇比羅夫を追悼する行事というワケなのです。
御船は大人船(おとなぶね)が2艘(穂高区の睦友社、穂高町区と等々力町区の健壮団)、子供船が3艘(穂高区、穂高町区、等々力町区)が出されます。
御船は、なるの新木を用いて毎年組み立てら、 男腹(おばら)、女腹(めばら)には着物が何十枚も掛けられ、さらに船上には毎年異なった穂高人形が飾られます。
その着物の持ち主は、一年間健康で過ごせるとのこと。
5隻の御船は、各町内を回った後に穂高神社に集結。
祭りのクライマックスには、穂高神社の境内で大人船2隻が、その船体を豪快にぶつけ合うシーンです。
「穂高神社の御船祭りの習俗」として平成21年(2009)4月20日に長野県無形民俗文化財に指定されています。
また穂高神社の「御船会館」に例祭で曳き出される御船などを展示し、神職・巫女が展示案内をしてくれます。
安曇族が安曇野に入るのは、日本海ルートというのが定説ですが、愛知県の渥美半島も安曇族ゆかりという説もあり、太平洋から天竜川を遡り、諏訪湖経由でやって来たという説も捨てきれません。
いずれにしろ古代史のロマンを秘めた祭りということに。
【例年の日程】
9月26日・宵祭=北城公園で、穂高人形飾り付け(穗髙神社南神苑で子供相撲大会開催)
20:00〜御船の移動
9月27日・本祭=15:00〜、御船を曳行し穗髙神社に奉納
穂高神社の御船祭り|安曇野市|2024 | |
開催日時 | 2024年9月26日(木)〜9月27日(金)/毎年9月26日〜9月27日 |
所在地 | 長野県安曇野市穂高6079 |
場所 | 穂高神社 |
関連HP | 穂高神社公式ホームページ |
電車・バスで | JR大糸線・穂高駅から徒歩3分 |
ドライブで | 長野自動車道安曇野ICから約7km |
駐車場 | 50台/無料、臨時駐車場もあり |
問い合わせ | 穂高神社 TEL:0263-82-2003/FAX:0263-82-8770 安曇野市観光協会 TEL:0263-82-3133 |
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