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善光寺に隠されたトリックを探せ!(PART3)

7年に一度、前立本尊が御開帳される善光寺。次回の御開帳は、2021年の予定です。御開帳を待たずとも十分にパワースポットの善光寺ですが、善光寺に秘められた様々なトリックを解き明かすシリーズの3回目は、いよいよ本堂へと入ります。

TRICK5 錯覚には錯覚を! で眺める本堂


本堂に隠されたトリックは、かなりじっくりと眺めても絶対に気がつきません。
というよりも、気がつかないように設計された工夫なのです。
本堂の全面に並ぶ8本の柱。この柱には実はちょっとしたトリックが隠されているのです。
柱の直径は1尺8寸(54cm)なのですが、両端の2本のみ他の6本よりやや太く造られています。

本堂正面から8本の柱を眺めたとき、内側にある6本は、長押(なげし)や扉などすぐ後ろにある物が同時に目に入ります。
対象物があるがために、柱の太さが強調されます。太陽が沈むときに大きく感じるという理屈と同じですね。
これに対して両脇の2本の背景は後ろの木々の緑や空。太さを強調するという点においては両脇の2本は内側の6本よりも背景が乏しいというワケなのです。
つまり「同一の太さでは他の柱より細く見えてしまう」錯覚を防止するため、わずかに5分(約1.7cm)太く補正されているのです。
まさに「錯覚には錯覚を」のトリックなのです。

TRICK6 「お戒壇めぐり」で極楽往生

善光寺の本堂の地下には、真っ暗闇の中を手探りで進む「お戒壇めぐり」も用意されています。
地下道の中央、つまりは本尊の真下に密室があり、その部屋の扉に仏具の独鈷(とっこ)のかたちをした大きな鍵がかけられています。
暗闇の中を一歩一歩手探りで進むのですが、首尾良くこの鍵に触れられれば、極楽往生が約束されるというもの。

「鍵に触れられなかった!」なんてドジな人もなかにはいますが、100%鍵にタッチしようと思ったら、必ず右側の壁に手を触れながら進めばOK!
これで極楽往生のきっぷを間違いなく手に入れることができます。
ゲーム感覚で参加でき、しかも仏の功徳を得られるというこの仕掛け、「おらが善光寺さん」という上手なプロモーションにもなっているのです。

お戒壇めぐりの想像図。イラスト/多田敬一

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