長野県塩尻市にある、中山道(なかせんどう)の宿場町が奈良井宿。街道時代には、鳥居峠を越える旅人を泊める旅籠が軒を連ねた木曽路最大の宿場町。塗りや細工などの職人も多く、全盛期には「奈良井千軒」とうたわれるほど繁栄。家並みは、塩尻市奈良井重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
美しい宿場の家並みが1kmも続く!
標高900mほどの奈良井川の河岸段丘上に発達した宿場町。
奈良井宿は檜物細工や塗物、塗櫛などの木工業も盛んで、尾張藩からの庇護を受け、御免白木(ごめんしらき=木曽の森林資源を厳しく管理した尾張藩から使用が許可された材木を割り、半製品にした材料)の4分の1の1500駄が供給されていました。
この御免白木を使って曲物(まげもの)、漆器(しっき)を生産していたのです。
現在も奈良井駅から1kmほどの道筋に、2階を少しせり出した出梁(だしばり)造りという独特の様式の町家が軒を連ね、東西200m、南北1350m、17.6haが塩尻市奈良井重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
指定エリアは、中山道に沿った1kmにわたる宿場集落のほかに、南北両端の高台に位置する鎮神社と八幡神社、町並みの西側の段丘崖の裾に5ヶ寺の寺がふくまれています。
宿場内の道幅は、上町が2間半〜3間、中町が3間〜3間半、下町が1間半〜2間半と宿の中央部で広く、また、町境などに火除地や小路が設けられました。
宿場内5ヶ所に残る水場は、旅人がのどをうるおし、ひと息ついたスポット。
現在でも奈良井の人々の生活用水として使われています。
中町の中央西側に位置する「上問屋史料館」(上問屋手塚家)は、江戸時代を通じて宿駅制度の問屋を主とする宿場内の要職を代々務めた家柄。
現存する建物も近世末期の問屋建築の姿を現在に留めるものとして、国の重要文化財に指定されています。
「ゑちごや旅館」(越後屋旅館)は、街道時代の旅籠(はたご)建築が現存し、そのまま旅館として営業するもの。
1日2組限定なので、行楽シーズンには早めの予約が必要。
奈良井宿(塩尻市奈良井重要伝統的建造物群保存地区) | |
名称 | 奈良井宿(塩尻市奈良井重要伝統的建造物群保存地区)/ならいじゅく(しおじりながいじゅうようでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく) |
所在地 | 長野県塩尻市奈良井 |
関連HP | 奈良井宿観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR奈良井駅から徒歩5分 |
ドライブで | 長野自動車道塩尻ICから約25km |
駐車場 | 西駐車場(51台/無料)・東駐車場(12台/無料)・道の駅奈良井宿橋駐車場(28台/無料) |
問い合わせ | 奈良井宿観光案内所 TEL:0264-34-3160/FAX:0264-24-0024 |
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