大町市にある若一王子神社(にゃくいちおうじじんじゃ)は、鎌倉時代に領主・仁科盛遠が紀伊国熊野権現に祀られる若一王子を勧請し創建したという古社。7月第4土・日曜には例大祭の流鏑馬(やぶさめ)神事・舞台神事・稚児行列が斎行されます。
鎌倉時代に領主・仁科氏が熊野詣での際、若一王子を勧請して創建
熊野三山に祀られる熊野十二所権現は、三所権現・五所王子・四所明神に分けられ、若一王子は五所王子の第一位。
若一王子の本地仏は十一面観音で、明治の神仏分離・廃仏毀釈の際に寺号を廃して若一王子神社になりました。
本殿は、弘治2年(1556年)に仁科盛康の寄進で、国の重要文化財。三重塔は長野県の県宝です。
例大祭(夏祭り)は、摂社・八坂神社の『お天王さま』を皮切りに7月第4日曜日の前々日から3日間にわたって斎行されます。
奉納される子供流鏑馬は「日本三大流鏑馬」のひとつ
7月第4日曜に奉納される流鏑馬は、鎌倉の鶴岡八幡宮、京都の賀茂神社と並び、「日本三大流鏑馬」に数えられています。
「仁科氏によって伝承されてきた古い伝統と由緒を誇っています」。
承久3年(1221年)、仁科盛遠(にしなもりとお/信濃仁科氏の祖、熊野参詣の折に後鳥羽上皇の知遇を得て西面武士として仕える)が後鳥羽上皇の院宣を奉じ武運を祈って流鏑馬を神前に奉納したのが始まりとか。
現在の射手は、近親者に不幸のなかった7歳から9歳の子供が選抜され、氏子各町より10騎出場。
「可愛い子供達が射手となるのが特色で、氏子町内を一巡し、境内の神事に至るまで5時間にもおよんで優雅な時代絵巻を繰り広げます」。
見事な舞台が大町市街を練り歩く
江戸時代から始まったという舞台行事は、氏子各町から6台の装飾された舞台が登場。
「それぞれ囃子方が10名位揃いの衣装で舞台に乗り込み、氏子町内を一巡した後、若一王子神社の神前に囃子を奉納します」。
なかでも大黒町舞台は県宝に指定。
さらに囃子方は各町毎に違った伝統ある囃子を奏でます。
土曜日に行なわれるのが稚児行列
氏子など200名近い稚児たちが金襴の装束を身につけ、信濃大町駅前から若一王子神社まで、平安ゆかしい輦車(れんしゃ=大内裏の中を貴人を乗せて人力で引く車)を引いて行列します。
若一王子神社例大祭 | |
開催日 | 7月第4日曜と前々日の3日間 |
開催時間 | 稚児行列=7月第4日曜前日15:30〜21:00頃 流鏑馬神事・舞台神事=7月第4日曜13:00~21:00頃 |
所在地 | 長野県大町市大町2097 |
場所 | 若一王子神社、大町市内本通り |
関連HP | 若一王子神社公式ホームページ |
電車・バスで | JR信濃大町駅から徒歩25分。または、JR北大町駅から徒歩10分 |
ドライブで | 長野自動車道安曇野ICから28km。または、信越自動車道長野ICから38km |
問い合わせ | 大町市観光協会 TEL:0261-22-0190/FAX:0261-22-5593 若一王子神社 TEL:0261-22-1626 |
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