長野県飯田市、飯田市街北西の風越山(かざこしやま)山麓に湧く名水が、猿庫の泉(さるくらのいずみ)。江戸時代、茶の湯に適した水を求め諸国をめぐった、宗偏流不蔵庵龍渓(そうへんりゅうふぞうあんりゅうけい)宗匠が、探しあてたと伝えられる泉で、環境省の名水百選にも選定。
容器持参で名水を持ち帰る
文化文政年間(1804年~1830年)には、飯田藩主で老中にもなった堀親寚(ほりちかしげ)が飯田城内に数奇屋を建て、毎朝家来に馬を駆けさせ猿庫の泉を運び、茶の湯を点てたという故事も残されています。
また、猿庫の泉が飯田の茶の湯文化を育てたことで、和菓子の町へと発展したのです。
苔むした岩間からこんこんと湧く水は口に含むと、冷たいだけでなく、甘く感じるのが名水たるゆえん。
花崗岩帯でブナの森から湧き出すというのも、まさしく名水の条件にかなっています。
地元の喜久水酒造では、猿庫の泉を仕込水に使い、純米吟醸「猿庫の泉」を醸しています。
猿庫の泉保存会が猿庫の泉を大切に保存し、5月上旬~10月下旬の土・日曜、祝日に、名水を使った野点呈茶会を開催しています(雨天中止)。
猿庫の泉 | |
名称 | 猿庫の泉/さるくらのいずみ |
所在地 | 長野県飯田市上飯田風越峡上 |
電車・バスで | JR伊那上郷駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 中央自動車道飯田ICから約5.5km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 飯田市観光課 TEL:0265-22-4851 |
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