長野県大町市、大町市街の中心に鎮座する神社が竈神社(かまどじんじゃ)。安曇野を支配した仁科氏が鎌倉時代に大町に居館を構えたとき、鬼門(北東)を封じるために創建されたという社。荒神様と尊崇された三宝荒神(さんぼうこうじん)を祀る社でしたが明治の初め、神仏分離で竈神社に改められています。
本来は三宝荒神を祀る神仏習合の社
三宝荒神は、仏(釈迦)・法(説法)・僧(修法者)の三宝を守護し、不浄を厭離(おんり)する仏神。
つまりは、密教、山岳信仰、神道などが混淆(こんこう)した神仏習合の神で、神道本来の神ではなく、修験者が広めた神だったのです。
つまり、仁科氏が祀った時代、そして明治維新までは仏教的な色合いが強かったのですが、神仏分離、廃仏毀釈で、記紀神話における火の神として知られる軻遇突智命(かぐつちのみこと)、つまりは竈(かまど)の神様とされたのです。
境内の枝垂れ桜は、4月中旬~5月上旬に見頃を迎え花見客で賑わいます。
『竈神社例大祭』と奉納花火大会、奉納相撲は例年9月上旬に齋行。
境内社に相撲神社があることにも注目を。
安政年間(1855年〜1860年)に相撲土俵の免許を得たのは、信濃では武水別神社(たけみずわけじんじゃ/現・千曲市)と三宝荒神社(現在の竈神社)だけです。
境内にある手水は「男清水」と呼ばれる名水。
北アルプス白沢の湧水を水道に使う一帯は、男子の誕生が多く、居谷里湿原の湧水を水道に使うと女の子が多く生まれるらしく、男清水、女清水と呼ばれています。
現在も大町中心部の商店街の東側は女清水(居谷里の湧水)、西側は男清水(白沢の湧水)を水道の水源として使用しています。
竈神社 | |
名称 | 竈神社/かまどじんじゃ |
所在地 | 長野県大町市大町4718 |
電車・バスで | JR信濃大町駅から徒歩20分。または、タクシーで5分 |
ドライブで | 長野自動車道安曇野ICから28km。または、上信越自動車道長野ICから38km |
駐車場 | 西公園体育館駐車場を利用 |
問い合わせ | 竈神社社務所 TEL:0261-23-3997 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |