日本アルプス最高所の山小屋は標高3100mに建つ北穂高小屋(日本最高所の山小屋はどこ!? 山小屋「標高ランキング」 TOP20 参照)。北穂高岳の標高は3106m。山頂の北、徒歩1分の長野県松本市側に建っているのが北穂高小屋。どうやって建てたのか不思議なくらいの断崖絶壁の上です。
小屋の西側は「飛ぶ鳥も通わぬ」滝谷
北穂高岳・北穂高小屋の西側(飛騨側)は、名ガイドの上條嘉門次が「飛ぶ鳥も通わぬ」と形容した滝谷。
現在も毎年のようにの滑落事故が発生するロッククライミングゲレンデです。
東側(信州側)は、「ゴジラの背」と呼ばれる北穂高岳東稜。
こちらもクライミング技術が必要になるバリエーションルートとなっています。
北側は大キレット(大切戸)と称される南岳との間にあるV字状に切れ込んだ岩稜。
まさに断崖絶壁の頂の上に建つ山小屋で、キャンプ指定地(山頂から南稜を涸沢側へ徒歩10分)などは、のんびりと星空見物などしていると、転落の危険だってあるという状況です。
北穂高小屋のテラスからは、大キレット越しに槍ヶ岳を眺望するビューポイント。
ここに来た人だけが堪能できる絶景です。
北穂高岳だけを目指すなら涸沢カールから南稜を詰める、あるいはザイテングラードを登り、穂高岳山荘から涸沢岳を経て到達するのが一般的ですが、かなりの岩場登りが必要です(どちらのコースにも鎖場があります)。
創建は、戦後間もない昭和23年。
小山義治(こやまよしはる=滝谷の岩場に多くのルートを開拓した山男、平成19年没) が人力で資材を担ぎ上げ、2年余りの歳月を費やして完成させ、少しずつ改築しながら今に至っています。
険しい穂高岳の山稜で、登山者、ロッククライマーの安全を確保したいという思いもあったとのこと。
スペースが限られるため、規模を大きくできないのが難点ですが、例年4月28日~11月3日の間、事前の予約で宿泊が可能です。
山小屋の営業に必要な物資は、飛騨側から東邦航空のヘリコプターで荷揚げしています。
当然、滝谷を上ってくるので、気象条件がかなり厳しい荷揚げということに。
食材や燃料、資材など必要な物資をモッコに入れて小屋前に下ろし、空になった燃料ドラム缶やガスボンベ、廃棄物などを吊って飛び去ります。
日本アルプス随一の「天空の山小屋」は、北穂高小屋 | |
所在地 | 長野県松本市安曇上高地 |
場所 | 北穂高小屋 |
関連HP | 北穂高小屋公式ホームページ |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |