気象庁は2025年1月21日(月)16:06、御嶽山(長野県木曽郡木曽町・王滝村、岐阜県下呂市・高山市/標高3067m)で火山性微動が発生、この微動に伴い、山頂方向が隆起する地殻変動が生じていると発表。山頂付近を震源とする火山性地震も増加し、21日16:00〜17:00の間には221回もあったことから、警戒を呼びかけています。
火山性微動は地下のマグマの活動を示す目安
2025年1月21日(月)16:06に発生した火山性の微動の継続時間は14分間。
火山性地震の発生頻度の増加も認められるとのことですが、奥の院に設置された監視カメラでは、噴火は認められず、噴気活動に特段の変化はないとしています。
火山性微動は地下のマグマの活動を示す目安で、御嶽山で観測されるのは2024年7月10日に2回観測して以来半年ぶりのこと。
地獄谷火口の白色の噴気は火口から200mの高さまでを観測していますが、有色噴煙は観測されていません。
気象庁は、「御嶽山では火山活動が高まっております。引き続き、地獄谷火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください」と注意を呼びかけています。
御嶽山では2024年12月中旬以降、火山活動が高まり、2025年1月16日(木)には2年7か月ぶりに噴火警戒レベルを「2」の「火口周辺規制」に引き上げています。
噴火には大きく分けてふたつのタイプがあり、富士山などの火山はマグマの動きに伴いなんらかの予兆がある火山、そして御嶽山や草津白根山は、ほとんど予兆なしに水蒸気噴火する火山で、クシャミのように突然爆発が起こるのが特徴。
2014年9月27日に発生した死者57名、行方不明者6名を出した御嶽山の噴火は、まさにその水蒸気爆発。
2007年に気象庁が噴火警報の発表を開始してから初めての犠牲者を出す噴火で、近代的な火山観測が始まってからとしては、犠牲者数も1926年5月24日に発生した北海道・十勝岳の噴火(144名の死者・行方不明者)に次ぐものとなっています。
苦い経験を活かし、御嶽山では観測機器を山頂周辺に設置するなど、火山観測体制が強化され、噴火警報・予報も細かく発表されています。
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |