御嶽山の火山活動が活発化、噴火の可能性も!?

御嶽山

長野県木曽郡木曽町・王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがり、太平洋プレートが関係する東日本火山帯の西端に位置する標高3067mの活火山、御嶽山(おんたけさん)。2025年1月16日22:00、気象庁は御嶽山に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を発表しています。

噴火警戒レベルを1から2(火口周辺規制)に引き上げ

御嶽山

御嶽山は気象庁が火山活動を監視する常時観測火山ですが、2025年1月16日22:00に噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げています。

御嶽山では2014年9月27日11:52頃、剣ヶ峰山頂南西側の北西〜南東方向に伸びる火口列で噴火が起こり(噴煙高度は火口縁上7000mと推定)、大きな噴石が火口列から1km程度の範囲に飛散。
火砕流が火口列から南西方向に2.5km、北西方向に1.5kmまで流下。
ちょうど山頂周辺で弁当を広げる時間帯でもあったため、死者・行方不明者合わせて63名という惨事となりました。

その後、少し沈静化しましたが、2022年2月23日、火山性地震が増加し、火山性微動に伴い地獄谷付近の隆起を示唆する地殻変動を観測(以降、火山性地震及び火山性微動の発生は、3月上旬まで消長を繰り返しながら継続)。
2月下旬~3月下旬。山体膨張を示すと考えられる地殻変動を観測していますが、その後は沈静化していました。

2024年12月上旬から山頂付近を震源とする火山性地震が増加、年末からさらに地震回数も増加し、1月中旬には噴煙も200mの高さに上がることが2度ほど観測されるなど、火山活動が活発化しています。
気象庁では、「地獄谷火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性がありますので警戒してください」と警戒を呼びかけています。

2014年の噴火以前と比べると、噴火後は明らかに火山活動が活発化していますが、とりわけ2024年の12月からはそれが顕著になっているのです。
過去4回の噴火では、その前に長期にわたって火山性の地震が増えたということがあるので、要注意のなのです。

2024年の噴火では火山性の地震のピークは9月11日、噴火はピークの16日後の9月27日なので、少し沈静化したとしても油断はできないのです。
今回は2014年の噴火前とは異なる揺れ(ゆっくりした振動)を観測しているとのことで、それも不気味です。
気象庁は「地殻の変動は確認されておらず、噴火の兆候はない」としています。
登山ポストなどに投函がないことから、冬山登山者もいない模様ですが、地元王滝村では御嶽山王滝口登山道を災害対策基本法に基づき、田の原駐車場で冬季入山規制を実施(御嶽山王滝口登山道は現在、冬季閉鎖中で、田の原駐車場~山頂は登山できません)。

長野県内では浅間山の火山活動も活発化しており、火山だけでなく地震も合わせて「日本列島が活動期に入った」と警告する研究者もいるので、さらに一層の注意が必要かもしれません。

火山はそれぞれ異なるマグマの発生・上昇のシステムで形成されるもので、決して地下でつながっているわけではないので(浅間山は北米プレート、御嶽山はユーラシアプレートとプレートも異なります)、噴火の連動ということはありえませんが、2011年の東日本大震災以降、東日本の地盤の状態を大きく変化させていることが活発化につながっている可能性はあるのかもしれません(最も切迫しているのは富士山の大噴火とも=300年以上休止しているのは富士山にとっては珍しいこと)。

御嶽山
岐阜県側の山麓から、2014年の噴火を眺望(遠く名古屋からも噴煙が確認できました)
御嶽山の火山活動が活発化、噴火の可能性も!?
所在地 長野県木曽郡王滝村、木曽郡木曽町
場所 御嶽山
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