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烏帽子岳

烏帽子岳

長野県大町市と富山県富山市にまたがる、北アルプスの深部にある秀峰が、標高2605mの烏帽子岳(えぼしだけ)。「裏銀座」と呼ばれる槍ヶ岳を目指す人気の縦走コースの起点で、「表銀座」の起点、燕岳(つばくろだけ)と同様に、花崗岩の岩が連なる山容で知られています。

裏銀座縦走コースの起点は、コマクサ咲く雲上の別天地

烏帽子岳、印象的な岩塔(オベリスク)の頂上部

烏帽子岳という山名も、花崗岩の岩塔(オベリスク)が烏帽子(えぼし、えぼうし=武家社会で成人男子がかぶった黒塗りの帽子)に似ていることが名の由来です。
高瀬川をせき止めた高瀬ダムの堰堤から、ブナ立尾根を登り詰めると、烏帽子岳南側稜線上の烏帽子小屋で(高瀬ダム〜烏帽子小屋=所要6時間10分)、さらに烏帽子岳山頂へは徒歩45分(山頂直下は、クサリ場もあります)。

このブナ立尾根は、燕岳・合戦尾根、剱岳・早月尾根とともに北アルプス三大急登と称されるほか、谷川岳・西黒尾根、南アルプス甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根とともに日本三大急登にも数えられています。
つまりは、北アルプスを代表する急登で、標高差1250m、平均斜度23度の急な登りが続きます。

路線バス(信濃大町駅から裏銀座登山バス)や、タクシー、マイカーで入山できるのは、七倉ダムの上部の七倉広場(七倉ゲート前)までで、そこから上流の高瀬ダムまでの5.5kmは徒歩(ダンプカーが多く通行するのでおすすめできません)または東京電力管理道路の特定タクシー(七倉山荘前、高瀬ダムに数台常駐/所要15分~20分)の利用となります。
ダム堰堤から不動トンネル(400m)を抜け、不動沢吊り橋で不動沢を渡った場所がブナ立尾根の取り付きで、北アルプスを代表する急登が始まります。

烏帽子岳から南に続く、表銀座縦走路は、三ツ岳(2844.8m)、岐阜県美濃市出身の歌手・野口五郎(本名・佐藤靖、雄々しく逞しい歌手になるようにと野口五郎と命名)の名の由来となった野口五郎岳(2924.5m/五郎はゴーロの意で大きな岩が堆積した氷河地形のこと)、真砂岳(2862m)、鷲羽岳(2924.4m)、三俣蓮華岳(2841.4m)、双六岳(2860.4m)、槍ヶ岳(3180m)と名峰が連なります。
人気のコースだけに、烏帽子小屋、野口五郎小屋、水晶小屋、三俣山荘、双六小屋、槍ヶ岳山荘と山小屋が整備され、ファミリーなどにも人気のアルプス入門コースとなっています。

とくに烏帽子小屋から烏帽子岳、烏帽子小屋から野口五郎小屋にかけての稜線は、「高山植物の女王」コマクサの群落があり、烏帽子小屋の周辺にはイワギキョウが咲き乱れます。
小屋直下には四十八池と呼ばれる池塘(ちとう)がありますが、先を急ぐ人は立ち寄ることのない穴場となっています。

四十八池があるのは舟窪地形と呼ばれる二重山稜で、典型的な周氷河地形(氷河期の周辺の時代、地中の水分が周期的に凍結と融解を繰り返すことで生まれた地形)。
烏帽子岳周辺には二重山稜が発達し、多くの池が点在しています。

野口五郎小屋までは3時間の行程ですが、斜面のお花畑を歩くルートは、シーズン初めのには残雪があり、トラバースが長く、雨後などは大変危険。
残雪がなくなるまで「稜線コース」を通行するのが無難です(詳細は烏帽子小屋で確認を)。

なお、北アルプスの山小屋はすべて予約が必要です(緊急の避難時を除く)。

ちなみに、烏帽子岳は日本各地に70座ほどあるといわれますが、その最高峰は、南アルプス・三伏峠東にそびえる烏帽子岳(2726m)です。

烏帽子岳、山上の秘境・四十八池(舟窪地形)
烏帽子岳
名称 烏帽子岳/えぼしだけ
所在地 長野県大町市平・富山県富山市有峰
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

烏帽子岳・ブナ立尾根

長野県大町市と富山県富山市にまたがる、北アルプスの深部にある秀峰が、標高2605mの烏帽子岳(えぼしだけ)。「裏銀座」と呼ばれる槍ヶ岳を目指す人気の縦走コースの起点で、大町市側・高瀬ダムから稜線の烏帽子小屋へと登り詰めるブナ立尾根は、日本三

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