長野県安曇野市の穂高地区を流れる穂高川沿いには穂高川わさび園と称して、穂高川沿いに数多くのわさび田があります(環境省の名水百選「安曇野わさび田湧水群」に選定)。そんな安曇野らしい風景のなかに早春賦歌碑(そうしゅんふかひ)は立っています。『早春賦』は、大正2年に発表の吉丸一昌作詞、中田章作曲の日本の唱歌です。
穂高川沿いの美しい景勝地に早春賦歌碑が立つ
大正の初年、安曇野にやってきた吉丸一昌は、穂高川の川沿いの土手を歩きながら、ふと「春は名のみの風の寒さや」と口ずさんだとか。
その場所に立てられたが、早春賦歌碑。
明治44年〜大正3年に発行された文部省著作尋常小学唱歌編纂委員会の作詞委員会委員長を務めた吉丸一昌。
大正元年から『新作唱歌』全10集を編著していますが、その中には『早春賦』、『故郷を離るる歌』なども含まれています。
その昭和59年4月に設置された早春賦歌碑。
歌碑の横にはソーラー電池式のオルゴールが設置されていて、いつでも早春賦のメロディが聞けるようになっています。
毎年4月29日の昭和の日には、『早春賦まつり』を開催。
早春賦歌碑の前で、合唱などが行なわれ、安曇野に春の訪れを告げる風物詩になっています。
その美しいロケーションから、テレビドラマ『あの日の僕をさがして』(平成4年・TBS系・織田裕二主演)、『電池が切れるまで』(平成16年・テレビ朝日系・財前直見主演)などのロケ地ともなっています。
『早春賦』 歌詞
(1)
春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず
(2)
氷解け去り 葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空
(3)
春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
『早春賦』の舞台は、実は大町!?
長野県大町高等学校(作曲:島崎赤太郎)の校歌の作詞も吉丸一昌ですが、「吉丸一昌さんは、東京音楽学校の教授時代、夏期講習の講師として、しばしば安曇野を訪れたことがあるようです。また、明治44年には、大町中学校創立十周年記念として校歌の作詞を頼まれ、雪解けの当地を訪れています。長野から山越えし、大町へ入ったのでしょう」(『広報おおまち』)とあり、実は、『早春賦』は、穂高川沿いの情景ではなく、大町市、つまりは北安曇野の情景である可能性も高まっています。
『広報おおまち』によれば、2番の「氷解け去り葦は角ぐむ」は木崎湖の情景にぴったりで、さらに「今日も昨日も雪の空」の歌詞は、まさに大北地域(大町以北のエリア)の天候ということに(南安曇と北安曇では天候が大きく異なり、歌詞の情景は北安曇側の情景)。
ただし、安曇野市側は、明治45年3月、北信の温泉旅行の帰りに明科駅で下車。
温泉旅行の帰り安曇野を通り、その感じを思いだしながら作詞という家政婦の山本はなさんの証言があるとしています。
JR信濃大町駅前公園広場、大町市文化会館前にも早春賦歌碑は立っているので、お見逃しなく。
『広報おおまち』によれば、2番の「氷解け去り葦は角ぐむ」は木崎湖の情景にぴったりで、さらに「今日も昨日も雪の空」の歌詞は、まさに大北地域(大町以北のエリア)の天候ということに(南安曇と北安曇では天候が大きく異なり、歌詞の情景は北安曇側の情景)。
ただし、安曇野市側は、明治45年3月、北信の温泉旅行の帰りに明科駅で下車。
温泉旅行の帰り安曇野を通り、その感じを思いだしながら作詞という家政婦の山本はなさんの証言があるとしています。
JR信濃大町駅前公園広場、大町市文化会館前にも早春賦歌碑は立っているので、お見逃しなく。
早春賦歌碑 | |
名称 | 早春賦歌碑/そうしゅんふかひ |
所在地 | 長野県安曇野市穂高 |
関連HP | 安曇野市公式ホームページ |
電車・バスで | JR穂高駅から徒歩25分 |
ドライブで | 長野自動車道安曇野ICから約6km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 安曇野市観光交流促進課 TEL:0263-71-2000 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |