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日本で一番海から遠い地点は、どこ?

日本国内で海からもっとも離れた場所は、どこでしょう?
身近でこの質問をしたら多くの人が思いつくのは、北海道のまんなか、大雪山や富良野(北海道の「へそ」を宣言しています)。
そして北関東。実は、平成8年まで「日本で一番海から遠い地点」は、確定していませんでした。

平成8年に国土地理院が最遠地点を割り出した!

国土地理院では、測量法が昭和24年6月3日に制定されたことを記念して制定された「測量の日」(6月3日)の前後と夏休みに行なわれるイベントで、茨城県つくば市の「地図と測量の科学館」(国土地理院併設)に地図と測量に関する「なんでも相談コーナー」を開設しています。

平成8年の夏休みの相談会で、「海から最も遠い地点はどこですか?」という質問が筑波大学の学生から寄せられました。
一見素朴で簡単そうな質問ですが、国土地理院の専門家ですら、即答はできませんでした。
回答は後日にということで、国土地理院の担当者は、「日本で一番海から遠い地点」を求める方法を考えます。
あらかじめ、概算によって求めた候補地に、コンピュータにより内接する円を求め、これをもとに求めた最遠地点を割り出すという手法で、ついに「日本で一番海から遠い地点」が特定されたのです。

それが、長野県佐久市田口字榊山209-1(旧臼田町)です。

海岸線までの球面距離は、
1.静岡県富士市田子の浦港まで=114.853km
2.新潟県上越市直江津まで=114.854km
3.神奈川県小田原市国府津まで=114.861km
4.新潟県糸魚川市梶屋敷まで=114.866km

ちなみにこの測定で判定された「日本で二番目に海から遠い地点」は、北海道美瑛岳の東約7kmの地点で、海から距離は108.2kmでした。

実際に到達するにはかなりの困難が!

さてさて、場所がわかれば、次の休日にもぜひ現地に到達したいと思う人もいることでしょう。
でも到達には少しばかり苦労します。なにせ、場所は長野県佐久市の山中、標高1200mの地点です。

アプローチは、長野・群馬県道93号下仁田臼田線。群馬県のコンニャクで知られる下仁田と佐久市の臼田を結ぶ県道で、群馬県側・長野県側どちらからのアプローチも可能です。県道から脇に入る林道の入口に「日本で一番海から遠い地点」入口の表示があるので、林道入口に車を置きます(林道は通常ゲートが閉まっています)。

ここからは徒歩です。「日本で一番海から遠い地点」までは、徒歩で1時間30分ほどかかります。途中からは山道となるので、ハイキング程度の用意は必要です。

「後半は沢道ですから、台風や大雨の後、急な増水などの恐れがある場合は入山を控えてください」
(佐久市役所臼田支所経済建設課)とのこと。

頑張って歩いた場合には、佐久市役所臼田支所に素敵なプレゼントが用意されています。
それが「日本で一番海から遠い地点到達認定証」。
佐久市観光協会臼田支部長の名前で到達を認定する証書を無料で発行してくれるのです(支所の業務時間内に限ります)。
ちなみに、臼田支所は標高704m。「日本で一番海から遠い地点」は標高1200mなので、標高差は500mもあることになります。

付け加えれば、臼田支所と「日本で一番海から遠い地点」を結ぶ県道下仁田臼田線沿いには日本では五稜郭(函館市)とここしかないという幕末に造られた西洋式城郭の龍岡城五稜郭もあるので、ぜひ寄り道しましょう。

龍岡城五稜郭

問い合わせ◆佐久市役所臼田支所経済建設課(長野県佐久市臼田89-3/TEL0267-82-3111)
参考文献/『国土地理院地図部技術報告』第4号 「日本で一番海に遠い臼田町」

【信州の城】信州にもあった!五稜郭 龍岡城五稜郭|佐久市

2016年9月13日
 
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