雪解け時期以外にも姿がある高所池のなかで、日本最高所の池は、御嶽山・二ノ池。御嶽山(3067m)の山上、標高2905mに位置し、池の畔には、御嶽山噴火の際に多くの登山者が逃げ込んだ山小屋「二ノ池山荘」が建っています。さてさて、噴火でいったんは埋まった二ノ池、現在はどうなっているのでしょう。
2024年10月に二ノ池が消滅!
2014年9月27日、秋晴れの行楽日和で賑わう御嶽山山頂を襲った噴火。
火山灰のなかを「二ノ池本館」(現・二ノ池山荘)に51人もの登山者が逃げ込み、噴火が小康状態になるのを見定めて、支配人・小寺祐介さんは、避難者を20分ほど下った石室山荘(いしむろさんそう)へと誘導しています。
御嶽山の噴火は、58名が命を落とし、5名が行方不明となる大惨事となり、二ノ池も火山灰に埋めれてしまいました。
御嶽山の山頂には、剣ヶ峰(山頂)側から、一ノ池、二ノ池、三ノ池、四ノ池、五ノ池と5つの池がありますが、このうち最高所の一ノ池、北辺の四ノ池には水がなく、二ノ池が日本最高所の池に。
もし二ノ池に水がなければ、御嶽山最大の池である三ノ池は標高2720mのため、北アルプス・立山の別山山上の硯ヶ池が標高2870mで、日本最高所の池ということになります。
爆発後の二ノ池は、火山灰に埋まりながらも徐々に池面(水部)を回復、さらには東側に二・五ノ池ともいえる小池が誕生したのです。
池畔の「二ノ池山荘」は、かつて噴火の被害を受けた「二ノ池本館」を新たに建て直し、2018年に完成した山小屋。
山頂の剣ヶ峰まで25分という山頂にもっとも近い山小屋になっています。
注目の二ノ池ですが、2020年頃までは水がしっかりとあったのですが、徐々に少なくなり、2024年10月に干上がってしまいました。
雨が降れば一時的にくぼみに水がたまるが、1~2日後には乾いてしまう状況に。
かつては二ノ池本館の貴重な水源で、登山者の少ないときには風呂にも利用していたほど、豊かな水が湛えられていました。
雪解けや雨の後には水が貯まるでしょうが、「果たして2025年秋にはどうなるのか」といった状況となっているのです。
2020年代に火山灰が水と一緒に流れ出して、池の部分(凹地)を埋め尽くしたため、過去に水があったと推測される一ノ池同様に、消滅してしまったという状態。
専門家も、新たに水が溜まる環境が整わない限り、再び池を見られる可能性は低いとしているので、当面は立山・硯ヶ池が日本最高所の池ということになりそうです。
日本最高所の池、御嶽山・二ノ池に異変あり! 昨秋に消滅!? | |
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